家やマンションは売るのと貸すのとどちらがお得?注意点を解説
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家を売ろうと考えたとき、「売るのと貸すのとどっちが得なのか」気になる方は多いのではないでしょうか。
家を「売る」のも「貸す」のもどちらも一長一短があり、一概にどちらが得と言えるものではありません。
では何を決め手として判断すればいいのでしょうか。
ここでは、家を「売る」と「貸す」のそれぞれのメリットやデメリット、選ぶ際のポイントを解説します。
こんな悩みを解消します!
- 家やマンションを「売る」か「貸す」かで悩んでいる……。
- 「売る」or「貸す」、どちらにすべきかの判断基準や注意点が知りたい!
- 「売る」or「貸す」、それぞれのメリット・デメリットが知りたい!
家を「売る」or「貸す」で悩んでいるときに注意すること
家を「売る」にしても「貸す」にしても、それぞれにメリットとデメリットがあります。
どちらか一方に最初から決めて行動する前に、売るときや貸すときの注意点についてチェックしてみましょう。
特に家を貸す場合は住宅ローンが残っているというだけで、一気にハードルが高くなるので、事前に下記の点について必ず確認してください。
大きな金額か、毎月の収入か。どんな収入を得たいかイメージする
家やマンションを売るか貸すかで悩んでいるときは、まず「売る」もしくは「貸す」ことでどんな収入が得られるのか、どちらの収入を優先すべきなのかを考えてみます。
一度にまとまった収入を得たいなら「売る」
家やマンションを売ることで一度にまとまった収入が得られます。
家の買い替えなどで新居の購入資金にすることもできますし、住宅ローンの残債がある場合なら、その金額で一括返済がしやすくなります。
売却金額の用途が決まっている場合や資金がないと実現できない目標がある場合は、売却を目指すべきでしょう。
継続的な収入がほしいなら「貸す」
家やマンションを貸した場合、もし入居者が見つかれば、毎月の家賃によって継続的な収入が得られます。
ただし、1棟しか所有していない場合は、自分自身の住所も用意する必要があります。
また、入居者がいなければ家賃収入をあてにすることはできません。
住宅ローン返済中の家は売れる? 貸せる?
家やマンションを購入する場合、ほとんどの人が銀行などから住宅ローンを借りていると思います。
では住宅ローン返済中の家は売ったり、貸したりできるのでしょうか。この点について解説していきます。
住宅ローン返済中の家を売る場合
住宅ローンの返済中でも家を売却できないわけではありません。
しかし、そのためには家の売却代金で住宅ローンを完済するなどして、家に設定された「抵当権」を抹消する必要があります。
詳しくは「住宅ローンが残っている家は売却可能!家を売る4つの方法と注意点」を参考にしてください。
住宅ローン返済中の家を貸す場合
原則として住宅ローン返済中の家を勝手に賃貸に出すことはできません。
なぜなら、金融機関は融資を受けた本人やその親族がその家に住むことを条件として、住宅ローンを契約しているからです。
そのため、住宅ローン返済中の家を貸したいなら、借入先の金融機関の承認を得たうえで、賃貸住宅用のローンなどに借り換える必要があります。
金融機関によっては、転勤の事実を証明する書類(辞令や在職証明など)や、転勤先の住民票などの提出が求められるので準備しておくといいでしょう。
また、住宅金融支援機構の「フラット35」でしたら、転勤などやむを得ない事情があれば、住宅ローン返済中の家でも賃貸が認められるケースがあります。
いずれにしても「バレないだろう」と無断で家を賃貸に出すのは絶対にやめましょう。
発覚すれば契約違反となり、住宅ローンの一括返済を求められることがあります。
家を貸したい場合は、まず借入先の金融機関に相談してください。
仕事と賃貸経営を両立できる?
普段は会社員や自営業などをしながら、副業として賃貸経営をしている人も多くいます。
ここからは自分の家を貸す場合、「何が必要で、何をすればいいのか」賃貸経営の基本を説明していきます。
賃貸経営にはどんな作業があるのか
賃貸経営の業務は主に「住む人の募集」「家賃の集金」「建物の維持管理」の3つ。
この3つの中で継続的に行う必要があるのが「建物の維持管理」です。
入居前や退去後のハウスクリーニング、設備のメンテナンス、補修や交換などは、たとえ入居者がいなくても行う必要があります。
もし建物の維持管理が適切に行われていないと入居者が見つからなかったり、入居後にクレームが発生してトラブルになりかねません。
賃貸経営は不動産管理会社の力を借りよう
賃貸物件の管理は不動産管理会社に委託するのが一般的です。
管理を委託する場合は管理会社に管理費用を支払うことになりますが、入居者からの家賃回収や退去後の清掃、リフォーム、入居者からの問い合わせ、クレーム対応などの業務を請け負ってくれます。
費用は月額で家賃の5%程度というところが多いようです。
家を売るとき・貸すときの出費や税金について知っておく
家を売るときと貸すときでは、それぞれどんな費用がかかるのかを以下の表にまとめました。
家を売る | 出費 | 不動産仲介手数料 | 不動産の売買や賃貸の際に仲介してくれた不動産業者に支払うお金 |
---|---|---|---|
抵当権抹消費用 | 不動産の抵当権抹消登記手続き司法書士に依頼した場合にかかる費用 | ||
住宅ローンの返済 | 住宅ローンの残債がある場合はその金額を一括返済 | ||
事務手数料 | 住宅ローンを繰り上げ返済する際の手数料 | ||
税金 | 印紙税 | 売買契約書に貼る収入印紙の代金 | |
登録免許税 | 不動産1物件につき1000円(建物+土地の場合は不動産が2物件なので2000円) | ||
譲渡益課税(所得税・住民税) | 購入したときよりも不動産が高く売れた場合に課せられる税金 | ||
家を貸す | 出費 | 不動産仲介手数料 | 不動産の売買や賃貸の際に仲介してくれた不動産業者に支払うお金 |
初期費用 | 物件のクリーニング代や壁紙の張替え、畳やふすまの張替えにかかる費用 | ||
管理費用 | 不動産管理会社に物件の管理を委託した場合、賃料の5%~10%を不動産管理会社へ支払う(貸し主自らが管理する場合も費用がかかる) | ||
税金 | 所得税 | 不動産賃貸で得た所得にかかる税金 |
家の売却でかかる税金について、詳しくは「家・マンション売却でかかる税金はいくら?確定申告の注意点は?」を参考にしてください。
家を「売る」or「貸す」のメリット・デメリット
「家を売るのか、貸すのか、費用や出費を考えてもどちらがいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そんな方のために、ここでは家やマンションを「売る」場合と「貸す」場合、それぞれのメリットとデメリットをまとめました。
特にデメリットに関して「売る」と「貸す」では、デメリットの大きな違いがあるので注目してみてください。
「売る」メリット
一度に大きな金額が得られる
家を「売る」最大のメリットは、売却代金という大きな金額が一度に得られることでしょう。
売却代金は、住宅ローン返済中の家を売った場合はその返済に充てたり、新居の購入資金としても活用できます。
不動産の維持に必要な費用がかからなくなる
修繕費や管理費など家やマンションの維持に必要な費用が不要になります。
「売る」デメリット
一時的な収入である
売却代金は一度限りの収入であり、長期的にみれば「貸す」場合の収入を下回る可能性もあります。
「貸す」メリット
定期収入が得られる
家を賃貸物件として他人に貸すことで、毎月決まった額の家賃収入が得られます。
礼金などを設定している場合には、借主が入居する度に不動産会社と折半した金額が入ってくることもあります。
金利や固定資産税が経費として認められる
家を貸すという「事業」として認められるので、固定資産税などは経費になります。
また、貸し出し物件の住宅ローンを返済中であれば、その住宅ローンの金利分も経費として計上できます。
「貸す」デメリット
初期費用がかかる
家を他人に貸す場合、家が汚れていたり、故障していたりする箇所があれば借り手がつきません。
必要に応じて部屋の壁紙やふすま、畳の張替え、ハウスクリーニングを行います。
これには数10万円程度、場合によっては100万円以上の費用がかかることもあります。
空室のリスクがある
家を賃貸に出したからといって、必ずしも借り手が見つかるとは限りません。
空室になる可能性もあり、そうなれば当然、家賃収入はゼロです。
また、住宅ローンの返済が続いている場合は返済費用の出費も重なり、負担が大きくなります。
入居者のトラブルへ対応が必要
「トイレの水が詰まった」「給湯器が故障した」など、入居者のトラブルにも対応しなければなりません。
不動産管理会社に業務委託すれば、代わりに請け負ってもらえますが、家賃の5%程度の管理費がかかります。
二重ローンの許可が下りない可能性がある
住宅ローンが残った自宅を賃貸に出し、新居を購入する場合、住宅ローンを2つ組む(二重ローン)必要が出てくるかもしれません。
ただ、二重ローンは銀行が認めない場合もあり、必要な融資を受けられない可能性もあります。
状況別 こんな時は家を売る?or貸す? どっちがお得?
家やマンションを売るか、貸すかで悩んでいる人にとって、もっとも重要なのは「どちらが金銭的に得なのか?」という点だと思います。
ここからは、売ることと貸すことのどちらが得なのかをシミュレーションしてみます。
今空き家がある場合は売る?or貸す?
両親が高齢のため同居し、実家が空き家になったというケースは少なくありません。
こうした例のほかにも、空き家は日本中に増え続けており、売却するか、貸し出すかで悩む人は数多くいます。
ここでは、空き家になった実家は売るのか貸すのか、どちらの方が得なのかを考えていきます。
なお、空き家の税金対策については「空き家の固定資産税が6倍に?税金が上がるケースと対策まとめ」も参考にしてください、
まずは売る場合と貸す場合の価格相場を調べる
自分の家やマンションと似た物件が、どれくらいの価格で売れるのか、どのくらいの金額で賃貸されているのか相場を確認します。
売却価格の調べ方は「家の資産価値はいくら?家の価格相場を自分で調べる5つの方法」を参考にしてください。
賃貸価格も売却価格と同じ方法で調べることができます。その場合、売買サイトではなく賃貸サイトをチェックしてください。
査定をしてもらい売る場合と貸す場合の価格を知る
自分の家の売却価格と家賃の相場がつかめたところで、不動産会社に査定を依頼してみましょう。
このとき重要なポイントは複数の不動産会社に査定依頼すること。
複数社の査定結果を比較することで適正価格が見えてきます。
また、その際に賃貸も検討していることを不動産会社に告げると、賃貸の場合の賃料なども査定してくれます。
査定に関することや不動産業者の選び方については「家の査定はどこをチェックしている?評価ポイントと注意点」や「家やマンションを高値で売却する不動産会社の選び方と注意点」を参考にしてください。
空き家は売るべきか、貸すべきか
「将来住むかどうかわからないけど、念のため持っておきたい」という理由で、空き家を所有し続けている人も多いと思います。
ただ、空き家の維持にはかなりのコストがかかるので、使う予定が具体的に決まっていないのなら、思い切って売却するのも手です。
一戸建ては借り手が少ない
一戸建ての賃貸物件は、築年数が古くなるほど需要が減ります。
そのためか、一戸建てとマンションを比較した場合、賃貸物件はマンションの方が圧倒的に多い傾向があります。
持ち家が一戸建ての場合は、売る方をメインに考えておくといいでしょう。
転勤して今の家に住めなくなったときは売るべき? 貸すべき?
住宅ローンが残っている場合、家を貸すには金融機関の承認を得る必要がありますが、転勤などで数年程度家を離れる場合、金融機関からの承認が得やすくなります。
「せっかく家を買ったのにすぐ転勤になってしまった」という人は、貸し出すことを検討してみましょう。
転勤が終わった後、すぐに元の家に住めるとは限らない
転勤の間だけ家を貸しても、転勤が終わったタイミングと同時に入居者が出て行ってくれるとは限りません。
転勤から戻って来たときにどうするかを考えておきましょう。
たとえば、新築同然で賃貸に出して高い賃料を得ながら安アパートに住めば、住宅ローンを賃料で相殺し、わずかな収入を得ることも可能でしょう。しかし、家族がいれば安アパートに住み続けるわけにもいかないはずです。
また転勤が終わった後、再び転勤の可能性があるかどうかも考えておくべきです。
何度も繰り返して転勤する可能性があるならば、思い切って売却を考えたほうがいいかもしれません。
住宅ローン控除にも注意
住宅ローンを利用している人の多くが、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けていると思いますが、賃貸に出すと住宅ローン控除を受けられなくなるので注意してください。
住宅ローン控除は本人がその家に住むことを前提としているため、持ち家を賃貸に出した場合は控除が打ち切られます。
住民票や公共料金の請求書などから居住実績の有無が判断され、簡単にばれてしまうので注意してください。
まとめ
家やマンションは売るのも貸すのもそれぞれメリットとデメリットがあります。
重要なのは個々の経済状況やライフプランに合っているかどうかです。
いずれにしても、家は大きな額の資産ですから、後悔のないように活用方法を慎重に判断しましょう。