マンションの査定価格が上がるポイントは?査定の注意点も解説
※本ページにはプロモーションが含まれています。
マンションを売却する際、不動産会社に「売却できそうな価格」を算出してもらうことを「査定」といいます。
このとき、不動産会社は「どこをチェックしているのか」「評価が高くなるポイントはどこなのか」気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はマンションの査定で不動産会社がチェックする点や、評価が高くなるポイントなどについて解説します。
こんな悩みを解消します!
- マンションの査定価格が上がるポイントが知りたい。
- マンションの査定でマイナスになる要因って?注意点は?
- 査定の前にどんな準備が必要?
マンションの「査定」とは
市場の動向や類似する物件の成約価格、売主の希望条件や物件の状況など、さまざまな観点から「いくらなら売れそうか」、不動産会社が価格を算出することを「査定」といいます。査定はマンションの売り出し価格を決める際、適正な価格をつけるための参考として欠かせないものです。
なお、査定の流れや方法はマンションも一戸建ても同じです。一戸建ての査定について詳しく知りたい方は「家の査定はどこをチェックしている?評価ポイントと注意点」をご覧ください。
査定の前に必要な準備
マンションの査定にはさまざまな情報が必要になります。以下に挙げた情報は査定のときによく聞かれるので、事前に準備しておくといいでしょう。
査定前に確認しておきたい情報
- 物件の種別(マンション・戸建て・土地など)
- 所在地
- 最寄り駅
- 駅からのアクセス(徒歩での所要時間)
- 建物の面積や間取り(マンション購入時のパンフレットや売買契約書を用意しておく)
- 建築した会社名
- 築年月日(築年数)
- 売却予定日
査定は必ず複数の不動産会社に依頼する
査定は必ず1社だけでなく、複数の不動産会社に依頼することが重要。
なぜなら、査定価格は不動産会社によって違うので、1社だけだと他社と比べて高いのか安いのか、適正な価格なのか判断できないからです。
必ず5~6社くらいに査定を依頼し、結果を比較してください。
「そうはいっても、たくさんの不動産会社に査定を依頼するのは面倒」という方も多いでしょう。そんな方におすすめなのが「不動産一括査定サイト」です。インターネットでいつでも簡単に依頼できますし、複数社への依頼も一度の入力で簡単! もちろん無料で利用できます。
なかでもおすすめなのが、不動産大手6社が運営し、都市部に強い「すまいValue」と大手から中小不動産会社まで網羅し、地方の物件に強い「イエウール」。
これら2つのサイトを一緒に使えば、大手から中小、都市部から地方まで幅広くカバーできるのでおすすめです。
数ある不動産一括査定サイトの中でも「すまいValue」と「イエウール」がおすすめ。
完全無料!たった60秒の簡単入力で「あなたの家がいくらで売れるのか」がわかります。
大手6社に一括で査定依頼できるのはココだけ!⇒【すまいValueで無料査定】
国内最大級!全国1900社以上と提携し、地方にも強い⇒【イエウールで無料査定】
マンション査定のチェックポイント
「購入したとき、相場より高かったから査定金額も高いはず」と思ったら大間違い。特にマンションの場合、一戸建てに比べて資産価値の下落スピードが非常に速いのが特徴です。
たとえば、70㎡クラスのファミリー型マンションなら、場合によっては1年に100万円ずつ値下がりすることもあります。
ではマンションの評価が高くなる条件や、価格に影響を与えるポイントは何なのでしょうか。
査定が高くなる「周辺」の条件
マンションの価格には周辺の環境が大きく影響します。立地的な環境だけではなく、周辺にあるマンションとの相対的な優劣で査定が決まることもよくあります。
ここでは、マンションの査定価格に影響する主な条件を見ていきましょう。
リセールバリューをチェック
「リセールバリュー」とは、マンションの資産価値を客観的に示す指標のことです。分譲マンションの新築時の価格を100として、時間の経過とともにどのくらい価値が下落しているかをパーセントで表します。
たとえば、10年後に90%のリセールバリューがある分譲マンションは「新築時の価格×90%の価値が見込める」ことを意味しています。
人気のある住宅街や駅周辺地などの好立地では、築10年以上が経過していても80~90%のリセールバリューをキープしている物件がたくさんあります。なかには100%以上の価格、つまり新築時よりも値上がりしている物件もあります。
「リセールバリュー=売却価格」とは言い切れませんが、リセールバリューは売却価格の重要な目安であることは知っておくといいでしょう。
近隣の家賃相場
中古マンションの価格は賃料と連動しています。周辺にある自分が売りたいマンションと同クラスの賃貸マンションは、どのくらいの家賃なのかを調べてみましょう。
その結果、他の物件よりも賃料が高ければマンションの販売価格も高く、低ければ販売価格も低くなります。
マンションの規模
マンションの規模は価格に大きく影響しますが、必ずしも大きければいいわけではありません。なぜなら、立地によって好まれるマンションの規模は違うからです。
一般的には都市部のファミリータイプの場合、20階建て以上で300戸以上のマンションや、50戸以下の中型マンションは80%前後のリセールバリューをキープしやすい傾向があります。
アクセス
戸建てに比べてマンションは、交通アクセスの良し悪しが評価額に大きく影響するといわれています。その理由は、通勤の利便性を重視して物件を選ぶ人が圧倒的に多いからです。
たとえば、都心まで電車の乗り継ぎが多い物件や、特急や快速が停車しない駅周辺のマンションなどは、時間の経過とともに価格が一気に下落しやすいので注意してください。
駅からの所要時間と評価額の関係については、公益財団法人不動産流通推進センターの「既存住宅価格マニュアル」で詳しく解説されています。
また「家の査定はどこをチェックしている?評価ポイントと注意点」でも「交通の便と家の査定額の関係」について解説していますので、ぜひ参考にしてください。
周辺環境と開発状況
マンション周辺の開発状況も価格に大きく影響します。たとえば、マンションの徒歩6分圏内に駅ができたり、スーパーなどの大規模商業施設が建設されたりすると評価額が上昇します。
今後、物件の周辺に開発予定があるかどうか、市役所などで確認してみるといいでしょう。
その反対に、近所の工場や学校(名門だとさらに評価に影響します)などが閉鎖・移転したり、最寄り駅に特急や快速が停車しなくなったりすれば、一気に価格は下がります。こちらも確認しておくことをおすすめします。
査定が高くなる「建物」の条件
ここまでは、周辺環境がマンションの価格にどう影響するのかを見てきました。
次に建物自体に対する査定ポイントを知っておきましょう。
築年数
築年数が浅いほど当然、マンションの評価は高くなります。
ただし、マンションの場合、築浅(築年数が浅い)とみなされるのは3~5年くらいまでで、それ以上の築年数は10年でも15年でもそれほど変わりません。
築年数とマンション価格の関係については、前述の「既存住宅価格マニュアル」で詳しく解説しています。
また、「家の査定はどこをチェックしている?評価ポイントと注意点」の「既存住宅価格マニュアルで家の価値を把握」でも、築年数とマンション価格の関係について解説していますので、ぜひ参考にしてください。
眺望
マンションは階層が上がるほど価格が高くなります。
10階建て程度のマンションの場合、1階層上がるごとに2~3%ほど価格が上昇します。20階以上の高層マンションになると価格の上昇率は少し緩やかになり、1~1.5%程度となります。
また、展望が価格に影響することもあります。たとえば、東京タワーやスカイツリー、富士山などが展望できる物件は、さらに3~5%ほど価格の上昇が見込めます。
日当たり(窓の向き)
マンションの場合は一番大きな窓を正面とし、その向きで方位を決めます。一方、戸建ての場合は玄関の位置を正面とし、その向きで方位(南向き、東向きなど)が決定します。
価格の基準となるのは日当たりの良い「南向き」です。南向きに対して東向きは-3~-7%、西向きは-5~-9%、北向きは-10~-20%と評価が下がります。
階層や部屋の位置
前述のとおり、一般的にマンションは高層になるほど評価が高くなります。ただし、「1階」と「最上階」は例外です。
1階の場合、階下に住民がいないため、足音などで迷惑をかけることがありません。また、自室への出入りも簡単で、ファミリーや年配者に人気があるため、評価が5%ほどアップする傾向があります。さらに専用の駐車スペースや庭があれば、10%ほど評価が上がることもあるようです。
一方、最上階は屋上が外気にさらされ、冷暖房費がかかるなどの理由によって、それほど人気はありません。むしろ、最上階よりも1つ下の階の方が高く評価されることが多いようです。この傾向は高層マンションほど当てはまります。
また、同じフロア内でも角部屋なら3~5%ほど評価が高くなります。たとえば、南の角部屋なら5~10%、ルーフバルコニー付きの角部屋なら10%以上も評価が上がることもあります。
反対に評価が低くなりがちなのは、エレベーターやごみ置き場、駐輪場など共用スペースに隣接した部屋です。
間取り
マンションの間取りは、ほとんどが「田の字型」と呼ばれる形状です。共用の外廊下に面して玄関があり、廊下の左右に部屋や水回りを配置し、突き当たりにリビングやダイニング、バルコニーがある設計です。この間取りは評価額にほとんど影響を与えません。
評価が高いのは「センターライン」と呼ばれる間取りです。玄関から続く短い廊下を中心に、放射状に部屋が配置されている設計で、人気があります。ただ、高級マンションに多い設計なので、センターラインの間取りが評価額に与える影響は微少といえるでしょう。
一方で、かつて流行したメゾネットタイプやメインバルコニーの間口が7m未満の場合などは評価が低くなる傾向があります。
管理組合が優秀かどうか
マンションには必ず管理組合があり、共用スペースの清掃などを行っています。この管理組合の質は、マンションの評価額に大きく影響します。「マンションは管理を買え」と言われるほどなのです。
マンションの住民でなければわからない、長期修繕計画や実施実績、積立資金の有無、定期点検の記録などを不動産会社に提示してみましょう。場合によっては評価額がアップする可能性もあります。
リフォームやメンテナンス
一戸建てに比べると、マンションはメンテナンスやリフォームが評価されやすい傾向にあります。特にキッチンや浴室、トイレなどの水回りは重要です。過去の修繕歴などをきちんとまとめ、不動産会社に提示できるようにしておきましょう。
マンションのブランド
マンションのブランドもわずかながら査定額に影響します。万が一、トラブルが起きた場合、大手であれば補償が手厚くなる可能性が高いからです。また最近では、快適な居住空間や高級感を前面に押し出しているマンションブランドもあり、こうしたマンションも高評価につながります。
耐震性
1981年5月31日以降に建設されたマンションは、震度6~7の地震でも倒壊しないような構造基準で建設されています。それより古いマンションは耐震構造が不十分と判断されやすく、低評価につながります。
また、2009~2010年に建築されたものは、リーマンショックによる材料費高騰の影響を受けていないため、同じような広さや高さのマンションに比べると頑健な構造と判断され、評価が若干高くなることがあります。
マンションならではの評価マイナス要因
戸建てと異なり、マンションは自分ではどうしようもない理由で査定評価が下がる場合があります。
エレベーターがない
エレベーターの有無は、マンションの評価に大きく影響します。
一般的にマンションは上層階のほうが評価が高くなりますが、エレベーターがない場合は低層階のほうが評価が高くなる傾向があります。
駐車場や駐輪場が確保できない
マンションの戸数分の駐車スペースや、戸数×2台分程度の駐輪スペースがない建物はマイナス評価を受けます。
駐車スペースがない場合は、近隣の契約駐車場の有無や料金などを調べ、不動産会社に申告しましょう。マイナス評価を回避できる可能性があります。
コーポラティブハウスである
コーポラティブハウス(コーポラティブマンション)とは、入居希望者が組合を結成し、その組合が事業主となって土地の取得から建物の建築までこだわり抜いて作ったマンションのことです。このタイプのマンションは、新規の入居者が組合の輪に溶け込めない可能性があり、評価が低くなりがちです。
事故物件がある
殺人や自殺、孤独死、放火などの事件・事故が発生した物件は一般的に「事故物件」と呼ばれています。
このように何らかの事件・事故が起こった部屋がマンション内にある場合、その棟全体が低評価となってしまいます。
ただし、不動産会社が買い手に対して説明義務があるのは、販売する部屋や共有部分だけです。
事件が発生した物件から距離が離れている場合や、その事件の知名度が低ければ査定評価に入らない場合もあります。
隣地に空き地がある
物件に空き地が隣接している場合、そこに今後どんな建物が建設されるかがわからないため、評価が下がる可能性も。
特に南向きリビングの正面に空き地がある場合、大幅なマイナス評価につながると考えられます。
査定金額が決定したら
訪問査定から数日~数週間で、不動産会社から査定金額が提示されます。
査定金額が決定したら終了というわけではありません。次は販売価格を決め、具体的な販売活動をスタートさせることになります。
査定金額が算出されてからの注意点などは「家の査定はどこをチェックしている?評価ポイントと注意点」の「査定額を参考に売り出し価格を決める」を参考にしてください。
まとめ
今回はマンションの査定では何をチェックしているのか、その評価ポイントを見てきました。
ただ、査定に関して注意したいのが、「家の査定はどこをチェックしている?評価ポイントと注意点」の「査定価格=販売価格ではない」でも詳しく説明しているとおり、査定価格がそのまま売り出し価格になるわけではないということ。査定価格はあくまでも参考であり、実際の売り出し価格は売主が自由に決められます。
とはいえ、査定価格に比べてあまりにも高い金額を設定しても、買い手がつかず売却が長引く可能性があるので注意してください。
売り出し価格や販売戦略について不動産会社とよく相談して、満足のいく売却を目指しましょう。