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2019.08.222020.12.07

不動産売却に消費税はかかる?課税・非課税対象や注意点を解説

※本ページにはプロモーションが含まれています。

不動産にかかる税金は非課税が土地・建物(居住用)、課税が投資用物件、事業用物件、仲介手数料など

私たちが日頃、商品の購入やサービスを受ける際には消費税がかかります。
では不動産を売るときに消費税はかかるのでしょうか。

ここでは不動産売却で消費税はかかるのか、課税対象となるもの・非課税となるものについて解説します。

こんな悩みを解消します!

  • 不動産を売るとき、消費税はかかる?
  • 消費税が課税されるもの、非課税なものが知りたい!
  • 不動産を売るとき、消費税で注意すべきこととは?

不動産売却の消費税

土地は非課税、つまり消費税は0円

消費税とはその名のとおり、物やサービスを消費した時にかかる税金のことです。

土地は消費されてなくなるものではありませんし、消費税法第6条において土地の譲渡や貸付けには「消費税を課さない」ことが定められています。

つまり、土地に消費税はかからず、非課税となります。

 

建物も個人で売るなら消費税はなし。ただし例外も

消費税の課税対象は「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等」と規定されています。

言い換えれば、建物を個人で売却するなら消費税はかからないということです。

ただし、居住用の自宅ではなく、投資用のマンションなどを売却する場合は消費税の課税対象となります。

 

賃貸用のマンションなど、個人か事業かグレーゾーンの場合は?

相続などで賃貸用マンションを手に入れたものの、「賃貸契約の人がまだ住んでいたので、出ていってもらうまでの短い期間だけマンションのオーナーだった」という物件を売りに出す場合、個人なのか事業なのか判断が難しいですよね。

この場合、土地は非課税ですが建物は課税対象になります。

また、事務所や工場、テナント物件として使われていた建物など、その建物に対して事業収入があったと考えられる場合、自分が事業を行っていたわけではなくても課税対象になることもあります。

ただし、消費税の課税対象となるかどうかは「いつまで使われていたのか」などによって判断基準が異なるため、不動産会社や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

消費税の申告を忘れると、納付すべき税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分は20%上乗せした金額を支払わなくてはなりません。

なお、自主的に期限後申告をした場合は上乗せ金額が5%に軽減されます。

 

不動産の価格は「税込」でも表示なし!?

消費税は「消費税転嫁対策特別措置法」によって、販売価格の横に「税込」や「税抜」と表示しなければならないと定められています。

しかし、不動産の価格表示は「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」第10条により、「消費税及び地方消費税が課されるときは、その額を含めて表示すること」と記されています。

そのため、不動産の売却価格は「税込」と記載されていなくても、消費税を含んだ金額になっていることがあるので注意してください。

個人で売却する物件は非課税ですが、不動産会社が売主となって販売する物件は課税対象なので、消費税が含まれています。

そのため、物件を購入する際、消費税を含んだ金額で仲介手数料を計算すると払い過ぎてしまうことに……。

仲介手数料で損をしないためにはどうしたらいいのか、次から詳しく説明していきます。

 

仲介手数料には消費税がかかる

手のひらに乗せた¥マーク
消費税法第4条において「国内にて事業者が行った資産の譲渡等には消費税を課する」と定められています。

この「資産の譲渡等」に「不動産会社が宅建業務に基づいて行う仲介業務という役務の提供」も含まれているため、仲介手数料は課税対象になっています。

 

建物が税込金額だと仲介手数料は払い過ぎに

自分が売主の場合、不動産会社がミスをしない限り、売り出し価格に消費税がプラスされていることはありませんが、買い替えなどで買主になった場合は注意が必要です。

すでにお話したように、売主が個人ではなく、不動産会社などの場合は課税対象となるので、物件価格に消費税が含まれていることがあります。

しかし、仲介手数料は税抜価格を基に算出するので、そのまま税込価格で計算すると払い過ぎになってしまうのです。

たとえば、税込3000万円の一戸建て(土地1900万円、建物1100万円)を購入したとします。

土地は非課税ですが、この場合は建物に消費税が含まれているので、税抜価格に計算し直さなくてはいけません。

建物は1100万円なので、税抜価格は1100万円÷消費税(10%)=1000万円
よって、一戸建て全体の税抜価格は土地1900万円+建物1000万円=2900万円となります。

次に、税抜価格と税込価格それぞれの仲介手数料を計算してみましょう。

仲介手数料は(売買価格×3%+6万円)+消費税の計算式で求められます。

※この計算式(一般的に速算式といわれる)が使えるのは、売買価格が400万円以上の場合に限ります。
※速算式で算出される金額は仲介手数料の上限額です。

上記の計算方法で仲介手数料(上限額)を計算してみると、

税抜価格2900万円の場合は102万3000円
税込価格3000万円の場合は105万6000円になります。

つまり、税込価格で仲介手数料を計算すると、3万3000円も払い過ぎてしまうことになるのです。

仲介手数料で損をしないために、物件価格が税抜か税込か、購入前に不動産会社に必ず確認しておきましょう。

仲介手数料の計算方法について、詳しくは「不動産売却の仲介手数料はいくらかかる?計算方法や注意点を解説」を参考にしてください。

 

その他に消費税がかかる費用とは?

住宅ローンを完済したら

もし住宅ローンが残っている家を売りたい場合は、まずローンを完済して抵当権を抹消しなければなりません。

また、住宅ローンを完済するために一括繰り上げ返済した場合、その手数料に消費税がかかります。

一般的に変動金利ローンなら3000~5000円、固定金利ローンであれば3〜5万円が手数料の金額です。

 

司法書士への報酬

抵当権の抹消などを司法書士に依頼した場合、報酬金額に対して消費税がかかります。

たとえば住宅ローンの支払いが完了し、家の抵当権の抹消登記を依頼した場合、報酬の目安は1万円前後です。

 

リフォームや修繕費用

家の売却は非課税ですが、家を売るために修繕やリフォームをした場合、その費用に対して消費税が課税されます。

取得費にこの金額を計上する際は、消費税込みの金額になります。

 

不動産売却に関する消費税課税一覧表

家や土地を売却するときにかかる費用の中で、消費税が課税される項目についてまとめました。

ちなみに売買契約書に貼付する印紙税や、売却益が出たときに納める不動産譲渡所得税などの税金に消費税はかかりません。

消費税がかかる
土地 ×
建物(居住用) ×
建物(賃貸用・投資用・テナント・工場など) ○
不動産会社への仲介手数料 ○
住宅ローンの一括繰り上げ返済手数料 ○
抵当権抹消登記などで依頼した司法書士への報酬 ○
リフォームや修繕費用 ○

 

まとめ

個人で売買するときは、基本的に土地も建物も非課税です。

ただし、賃貸マンションや駐車場などを相続し、その建物に事業収入があったと考えられる場合は課税対象となるケースがあるので注意してください。

思わぬところで消費税がかかって資金計画が狂ってしまわないように、課税されるもの・されないものを正しく理解しておきましょう。

ただ、区分が難しいケースもあるので、自己判断せずに不動産会社などの専門家に相談するのが安心です。

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